花婿に捧げる民族刺繍。

インドのカッチ地方には、同じ地域にヒンドゥー教・イスラム教とそれぞれ生活習慣の違いはあるものの、混在しながら様々な民族が暮らしています。
各民族にはそれぞれに刺繍の技法、そして素材や色づかいの違いはあるものの、嫁入り道具に女性から男性に刺繍のものを送るという点では同じ風習を持ちます。

ここに紹介するのは、ラバリー族のお針子ポーチです。
クロスラダーチェーンステッチが中心でその他、キルトやアップリケをステッチで留めつけその上にも直線縫いやひし形の刺繍を施します。
また、飾りボタンがついていたり・・・と多彩な色合いが調和しています。邪気を払うために装飾するミラーガラス(=シーシャ)は、丸に囲うのではなくボタンホールステッチで留めるというのもラバリーならではの特徴。
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お財布に、ドライフルーツを入れて持ち歩くためのポーチとして、身の回りの小さなものを入れる袋、というのが主な用途です。
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牛飼い・羊飼いであることに民族意識に誇りをもつこと、そのアイデンティティを尊ぶ表現として刺繍は女性たちの間で続けられてきました。ここには母から娘への想いが宿り、その技法を教えながら伝統文化や仕来たりを伝える事こそがこの刺繍の奥義なのです。

「人の想いが針を進める動力になる。」
人々に根付いた独特の技法の刺繍たち、工業製品には現せない魅力にインドで魅せられました。この刺繍たちは、現在大分県で行っている展示会の「country Market」でご覧いただけます。

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インドのどの家庭でも玄関を飾る風習があり「トーラン」と呼ばれています。
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