劇団ザパリ研究所「オドルトキ」

ザパリ研究所が韓国より来日、
3人のメンバーによる公演が行われました。

物語は、済州島の代表的な民話から。
美しい島の風景を舞台に、山で暮らし海にと共に生きる一人のお母さんとその子供トキの物語。

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f0227590_21285511.jpgセットはシルバニアファミリーみたいな小さなわら葺屋根のお家だけ。

始めにパフォーマー自身による日本語の解説が少しあるのみ。(よく勉強されています!)
言葉はほとんどなく、オノマトペで交しあいます。

お母さんが洗濯をしている時のこと、家の中で泣きわめくトキにそっとゆりかごを揺らし子守唄であやす。そして日々忙しく働く海女の母。そんな日常を繰り返す質素な暮らしぶりから、韓国のあったかい母の逞しさや強さを感じます。この演目は人形劇でもあり、演劇でもあり、いろんな要素が織り交ぜられていてユーモアたっぷり、遊びをどんどんこちらに投げかけてきます。台詞はほとんど無いそうで、突然その場にいる子供の面白いしぐさをまねたりと、かなりの即興性で会場を笑いの渦へと巻き込んでくれました。
人形劇の場面ではパフォーマーはクロコと化すのかと思いきや、全く影を潜めることもなくその人形になりきり、犬に、猫に、鶏になり、全ての生きものが共存しあう世界は、おとぎ話のようでもありました。

シーンが陸から海へと変わるときのこと。
これといった舞台装置も何もない中、蛍光灯に雑多に貼られた青いフィルムの明かりが、辺りを青の世界へと変える。
人形をあやつるパフォーマー、
海女の母はもぐってはさざえを採り、海面にあがってはまたす潜りをして、と繰り返す。こちらまでなんか良い心地、いつの間にか身体がゆれてる~そんな風に一緒に海にもぐっているような感覚になったりもする。
この劇は淡々とした日常を、コミカルに演じられてて、とにかく面白い!それだけでなく、この三人の全身を使ったその表現力から、舞台の原点を感じさせられました。
民話は今日まで継がれてきた先人たちの感性の集約である、
ある人の手にかかればそのものの世界が国境を越えてこうして笑いと共に語られていくんだなぁ。
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セットづくり、演出、パフォーマンスを全て3人で行うそう。とっても味わい深い作品にとっても感動しました。
これから注目されるであろう!若手のすばらしい劇団でした。
後々に聞いた話によると何度も同行しているはずの音響さんまでがこらえきれずに笑っていたそうで、どれほど即興力が豊かな表現者なのか、とますます興味深々に。
笑いは世界共通だ。

これから名古屋など、数箇所にて巡回公演されるそうです。
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